一本のネクタイができるまで

Making a Tie 「縫う」 Vol.2

2018年7月17日

Making a Tie

一本へのこだわり
縫う

TEXT & EDIT Tetsu Takasuka PHOTO Seiichi Niitsuma

繊細な表情を醸す手縫いの妙技

 正確に裁断された生地は縫製の工程に送られます。ミシンや専用の機械を使って縫製する方法もありますが、近年では手縫いが増えてきているとのこと。柔らかくデリケートな生地を使う場合、機械だとうまく縫えないこと、裏地を使わず縁を巻き上げるように縫う“三つ巻”のネクタイのようにミシンが使えない作りの製品のオーダーが増えていることがその主な理由だそうです。以下で、手縫いの工程を順を追って解説していきましょう。

 ネクタイのパーツは、大きく、大剣、小剣、なかはぎに分かれています。はじめにその3つを1つに縫い合わせます。裏地に別生地を使う場合は先に縫い付けておきます。

 続いて、真ん中に芯地を入れ、それを包むように生地の端を折り返して縫い付けます。この時、芯地が中央になるように、縫い目が中央になるように、常に中心を意識することがネクタイを美しく仕上げる秘訣です。

 ネクタイは、全体をふっくらさせるためにアイロンをかけずに縫うのが基本です。この時、表地と芯地を縫い合わせて固定するのですが、芯地を貫通しないように引っ掛けて縫うという高度な技術が必要になります。また、かっちり縫いすぎるとネクタイに柔らかさが出ないため、ほどよい緩さ加減で縫わなければなりません。

 生地が開かないようにカンヌキ止めをほどこし、ループやタグを縫い付ければ完成です。出来上がったネクタイは、検針器にかけて針などが残っていないかチェックします。


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