
Making a Tie
一本へのこだわり
織る
染色された絹糸は、織布工場に送られて生地になります。クリケットのネクタイ生地を織っている工場のひとつが、京都・西陣地域にある「タイヨウネクタイ株式会社」。明治46年に創業した老舗で、元々は西陣織で着物や帯を製造していたとのこと。その伝統的な技術を生かしたネクタイ生地作りをご覧ください。
TEXT & EDIT Tetsu Takasuka PHOTO Seiichi Niitsuma |
半世紀以上前の機械を使い続ける
ネクタイ生地を織る工程は、まず糸繰機を使って絹糸を枠に巻き直すところから始まります。「タイヨウネクタイ株式会社」で使われているのは、見るからに旧い木製の糸繰機。手作りの機械で50〜60年は使い続けているというのですから驚きです。何色かの色が混ざったメランジと呼ばれる糸も、この機械で糸を何本か撚って作られます。
こちらは3色の糸を撚り合わせたメランジ糸。美しい色合いです。